今月の主題 糖尿病診療Update―いま何が変わりつつあるのか
1型糖尿病の基礎知識
解明が進む1型糖尿病の病態
川﨑 英二
1
1長崎大学病院生活習慣病予防診療部
pp.1883-1887
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104879
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ポイント
★1型糖尿病が発症するまでには,数カ月~数年にわたる前糖尿病期が存在し,膵島β細胞の進行性破壊の結果,β細胞量が約20~30%まで減少すると顕性化する.
★1型糖尿病の発症には遺伝素因と環境因子が関連し,膵島β細胞自己抗原に対する「自己反応性T細胞」の活性化により膵島炎が形成される.膵島β細胞破壊には,それを抑制する制御性T細胞の数や機能も密接に関連している.
★本邦における1型糖尿病は,臨床的に,「劇症型」「急性型」「緩徐進行型」の3つのタイプが存在する.
★緩徐進行型では,GAD抗体のみならず,ほかの膵島関連自己抗体を測定することが進行を予測する上で重要である.
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