糖尿病治療の個別化-個々の症例にベストな治療とは
1型糖尿病の疫学
及川 洋一
1
,
島田 朗
1東京都済生会中央病院 糖尿病・内分泌内科
キーワード:
Glutamate Decarboxylase
,
血統
,
Glycosylated Hemoglobin A
,
血糖
,
糖尿病-1型
,
発生率
,
肥満
,
BMI
,
抗GAD抗体
Keyword:
Blood Glucose
,
Diabetes Mellitus, Type 1
,
Glutamate Decarboxylase
,
Glycated Hemoglobin A
,
Obesity
,
Pedigree
,
Body Mass Index
,
Incidence
pp.11-15
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017114785
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わが国における小児1型糖尿病の発症率や有病者数は,ここ数年大きく変化していない.一方,成人1型糖尿病については,詳細なデータがなく不明である.高血糖症状を主訴とする患者をみたら,糖尿病家族歴がなくても血糖値やHbA1c,尿ケトン体,血液ガス分析などを評価し,1型糖尿病の発症に伴う高血糖緊急症の可能性を考慮する.一見,2型糖尿病と思われても,糖尿病の診断時や2型糖尿病として治療中に血糖コントロールの急な悪化をみた場合には,抗GAD抗体を測定し,緩徐進行1型糖尿病を見落とさないようにする.近年,1型糖尿病患者の血糖コントロールは小児,成人ともに改善傾向にある.一方,成人では肥満度の増加が顕著となっている.
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