検査レポート作成指南・14
血清蛋白分画検査編
藤田 清貴
1,2
,
長田 誠
2
1群馬パース大学大学院保健科学研究科病因・病態検査学領域
2群馬パース大学保健科学部検査技術学科
pp.1118-1124
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200965
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近年,疾患プロテオーム研究によって,微量成分も含めて,構造や性状の異なる5,000種類以上の蛋白が検出・同定できるようになった.これらの蛋白は種々の機能を有しており,体液の浸透圧維持や物質の結合と輸送,抗体活性など成分によって機能分担して,生体内における生命維持において大きな役割を演じている.さらに血清蛋白は,さまざまな病態に際して量的,あるいは質的に特徴的な変化を示す.したがって,血清蛋白の異常を見逃すことなく捉え,適切に検索を進めることは患者の病態を正しく把握するうえで極めて大切なことである.その代表的なスクリーニング検査法として血清蛋白分画検査がある.
血清蛋白分画の測定には,従来はセルロース・アセテート膜(以下,セ・ア膜)電気泳動法が広く用いられていたが,セ・ア膜の製造が縮小傾向にあり,アガロース電気泳動法やキャピラリー電気泳動法を使用する施設も増えてきた.血清蛋白分画検査ではアルブミンおよびα1,α2,β,γの各グロブリンの分画比とデンシトメトリーによる峰の形状によって病態を把握する.
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