検体の取り扱い方と検査成績
血清総蛋白と蛋白分画
大谷 英樹
1
1自治医大臨床病理
pp.1482-1483
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205672
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血清蛋白は数多くの蛋白成分からなるが,それらの変動をとらえるもっとも簡単な方法は,屈折計による総蛋白濃度の測定とセルロースアセテート電気泳動による蛋白分画法である.それらの方法は手技が容易で,しかもきわあて微量の血清ですむため蛋白分析のスクリーニング検査として広く用いられている.血清総蛋白濃度と蛋白分画値におよぼす人為的影響のうち,検体の取り扱い上問題となるのは,①採血時の溶血(生体外の溶血),②血清分離後の保存による血清蛋白の変性・分解,および③血漿,または不活化血清(梅毒検査時の56℃,30分間処理血清)などが血清蛋白の検査に供されることである.免疫電気泳動を行なえばそれらの原因をある程度明らかにすることができるが,それよりも正しい検体の取り扱いの方が重要であろう.
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