特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液検査
凝固・線溶系検査
出血時間
村上 直己
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部
pp.94-95
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104701
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
出血時間とは,皮膚に一定の切創を加えて出血させ,自然止血に要する時間を測定する検査である.一次止血機能の過程をin vivoで検査できる唯一の検査として,古典的な検査ながら現在でも広く行われている.一次止血に関与する血小板数・血小板機能・毛細血管とその周囲組織の性状が主に影響するため,これらの異常が出血時間延長につながる.とりわけ,血小板数・血小板機能のスクリーニング検査として行われる場合が多い.
検査法としてはランセットを用いて耳朶を穿刺するDuke法が簡便なため広く行われている.ただ,検査ごとに均一の切創を加えることが難しく,特異性・再現性の点では問題も多い.この点で血圧計で加圧しながら前腕部に切創を加える方法(Ivy法,Template Ivy法)がより再現性が高いといわれる.
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