今月の主題 高血圧診療―わかっていること・わからないこと
降圧薬について本当のところを知り,使い方を理解しよう
抗アルドステロン薬:主要降圧薬のひとつになり得るか?
森 典子
1
,
下澤 達雄
2
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
2東京大学医学部附属病院検査部
pp.1250-1253
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104536
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ポイント
★アルドステロンはNa保持作用のほかに,細胞増殖・線維化,酸化ストレス増強効果が認められることが最近わかってきた.
★JSH2009において,抗アルドステロン薬は心機能低下例に関しては積極的に用いることが推奨されているものの,ほかの場合には利尿薬と同様の範疇で扱われている.
★ヒトにおいて重度心不全の死亡率の改善・心筋梗塞後のリモデリング予防・慢性腎臓病患者の進展予防に対するエビデンスがあり,ARBやACE阻害薬とともに臓器保護効果が期待できる薬剤であることがわかってきている.このことから今後積極的な使用が期待される.
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