発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008196543
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慢性の腎機能障害が存在すると、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの心・血管障害の発症リスクが増大することから、「慢性腎臓病(CKD)」という新しい病名が2002年に米国で発表された。それによると、CKDとは、(1)糸球体濾過量(GFR)の低下の有無にかかわらず、腎臓の構造または機能異常(病理組織学的異常、血液または尿の組成や画像所見の異常によって判定)が3ヵ月以上持続していること、または、(2)腎障害の原因にかかわらず、GFR60ml/min/1.73m2未満が3ヵ月以上持続していること、と定義されている。CKDが、高血圧や糖尿病と並んで、心・血管障害の重大な危険因子であることを新たに提唱したものとして注目されている。CKDがどのような機序で心血管障害を引き起こすのか現時点では明らかになっていないが、心血管系と腎臓に共通に作用する液性因子として、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の活性化が推測されている。そこで、本稿ではCKDの発症・進展に対するアルドステロンの役割とその治療について解説する。
©Nankodo Co., Ltd., 2008