CRAS 心・腎・貧血の悪循環
抗アルドステロン薬とCRAS
長田 太助
1
1東京大学 大学院医学系研究科分子血管病態学講座
キーワード:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
Spironolactone
,
心不全
,
貧血
,
Mineralocorticoid Receptors
,
Eplerenone
,
慢性腎臓病
,
CRA症候群
Keyword:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
Anemia
,
Heart Failure
,
Spironolactone
,
Receptors, Mineralocorticoid
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Eplerenone
pp.89-94
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009247948
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CRASの病態には活性酸素種(ROS)の関与が考えられている。アルドステロン(Aldo)によりミネラロコルチコイド受容体(MR)が活性化されたあと、ROSの産生増加による血管内皮障害、炎症反応の亢進、血管周囲や間質の線維化などを介して心臓、腎臓に組織障害が生じる。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与によるレニン・アンジオテンシン系の抑制が、臓器障害を抑制することが知られているが、さらにアルドステロンの作用をMR阻害薬で阻害したときの心血管系の予後改善作用が明らかになってきた。MR阻害薬は主にROS産生低下作用を介して、CRASの病態の進展を抑制できる可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2009