特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
腹壁・骨盤壁
吉松 俊治
1
,
浅尾 千秋
1
1熊本医療センター放射線科
pp.365-370
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104202
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正常解剖
腹壁を構成する浅腹筋には外側群の側腹筋と内側群の前腹筋がある.前腹筋には前腹壁の正中部に左右の腹直筋があり,恥骨からでて白線内に入り込む小さい錐体筋がある.側腹筋は浅層より外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の3層の筋群よりなり,上中腹部では脂肪により3層の分離は良好であるが,下腹部では分離が不良となる.
側腹筋はその広い面状をなす腱膜で両側の腹直筋を包み,固有の結合組織である腹直筋鞘を形成する.腹直筋上部中部では,外腹斜筋腱膜は腹直筋鞘前葉を,内腹斜筋腱膜は前後に分かれて前葉と後葉を,腹横筋腱膜は腹直筋鞘後葉を形成する.臍輪より数cm下方の腹直筋下部では,側腹筋腱膜はすべて腹直筋鞘前葉を形成し,後葉は欠如する.腹直筋鞘後葉の消失する部分が弓状線である(図1).
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