特集 小児外科臨床研究の基本と展望
腹壁疾患
松久保 眞
1
,
杉田 光士郎
,
中目 和彦
,
長野 綾香
,
松井 まゆ
,
村上 雅一
,
川野 正人
,
矢野 圭輔
,
大西 峻
,
春松 敏夫
,
山田 耕嗣
,
山田 和歌
,
武藤 充
,
加治 建
,
野口 啓幸
,
家入 里志
1鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
キーワード:
臍ヘルニア
,
術後合併症
,
後向き研究
,
治療成績
,
腹壁破裂
Keyword:
Gastroschisis
,
Hernia, Umbilical
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Postoperative Complications
pp.749-757
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2020359178
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1985年4月~2020年3月までの鹿児島県における腹壁異常の手術症例69例の治療成績について後方視的検討を行った。なお、1985年4月~2004年3月(前期)までは全例が鹿児島大学病院、2004年4月~2020年3月(後期)までは鹿児島大学病院と鹿児島市立病院で診療された。対象の内訳は臍帯ヘルニア36例(男児19例、女児17例)、腹壁破裂33例(男児16例、女児17例)で、帝王切開での分娩は臍帯ヘルニア21例(58.3%)、腹壁破裂23例(70.0%)であった。術式は一期閉鎖術31例、silo造設のみ1例、silo造設後の二期閉鎖術37例であった。分娩様式や術式別の予後に有意差は認めなかった。死亡例は臍帯ヘルニア5例(13.9%)、腹壁破裂1例(3.0%)で、臍帯ヘルニア5例は染色体異常または重症合併奇形を認めた。出生前診断率、生存率は後期で増加していたが有意差は認めなかった。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.