特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
脳
各論
基底核・視床
井田 正博
1
,
日野 圭子
1
,
萬 直哉
1
,
菅原 俊祐
1
,
久保 優子
1
,
川口 祐子
1
1荏原病院放射線科
pp.33-43
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104161
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■基底核
「大脳基底核(basal ganglia)」とは終脳の深部灰白質で,前脳基底部の線条体(striatum)〔尾状核(caudate nucleus)と被殻(putamen)〕と淡蒼球(globus pallidus),間脳の視床下核(subthalamic nucleus)および中脳の黒質(substantia nigra)からなる(図1).「中心灰白質(central gray matter)」は,これら基底核と間脳の視床を含める(視床は大脳基底核には含まれない注釈1, 2)1).基底核は大脳皮質や視床と相互の神経回路を形成し,運動の調節機能(興奮と抑制)を司る〔錐体外路系(extra pyramidal tract)〕.その障害は①運動低下をきたすParkinson病や,②振戦,アテトーゼなどの不随意運動の原因となる.
視床は間脳由来の中心灰白質で,大脳基底核には含まれない.ただし,大脳皮質や基底核と密な神経線維連絡があり,大脳皮質-基底核-視床-大脳皮質のフィードバックループを形成する(直接経路,間接経路;後述図4)2).視床の外側腹側核,前腹側核,背側内側核は運動のコントロールに関連する.その他,感覚,記憶,情動,眼球運動などの多くの機能を中継,連合する.
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