Japanese
English
特集 パーキンソニズム(第4回脳のシンポジウムより)
大脳基底核の機能—とくに視床—尾状核間の機能的関連について
Functional Relationship between the Thalamus and the Caudate Nucleus
梶 鎮夫
1
Shizuo Kaji
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Niigata Univ. School of Med.
pp.950-955
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904562
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
パーキンソニズム,舞踏病等の錐体外路系疾患に大脳基底核が関与していることはよく知られている。しかし,大脳基底核のそれぞれの機能,あるいはその相互関係は,まだ十分にはわかつていない。しかも,これまでに得られている知見は,臨床神経病理学,定位脳手術,動物における刺激破壊実験に基づくものであり,そのうえ,得られた所見は必ずしも一致していないようである5,9)。
最近ようやく,他の中枢神経領域の研究に用いられ,多くの成果をあげている微小電極法が導入されて,大脳基底核の機能も次第に明らかにされつつある。例えば,大脳基底核のうちの線状体ネウロン活動に対する各種感覚刺激あるいは大脳皮質刺激の効果1,6,9,17〜19),McLennanそのほかによる薬理学的研究11,12)などがこれであり。最近では細胞内記録法を用いての研究もある10,16)。そのほか,淡蒼球ネウロン活動に対する尾状核あるいは視床下核刺激の影響も報告されている10,13,20)。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.