連載 見て・聴いて・考える 道具いらずの神経診療・9
―主訴別の患者の診かた4―頭痛を訴える患者の診かた(前編)
岩崎 靖
1
1小山田記念温泉病院 神経内科
pp.1725-1730
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103532
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「こめかみが痛い」,「後頭部が痛い」など頭痛を主訴に受診する患者は神経内科に限らず非常に多い.「片頭痛です」と自分で診断をしてくる患者や,「昔から頭痛持ち」と訴えてくる慢性頭痛の患者も多い.日本人成人の40%が慢性の頭痛持ちともいわれるが,頭痛の診療を専門としない医師は,鎮痛薬投与のみか,必要以上に恐れてすぐに専門医に紹介するか,無視して対応しないか,という傾向があるのではないだろうか.頭痛の専門家が対応しなければならない頭痛はむしろ稀であり,きわめて多くの患者が潜在しているわりには,ほとんどの患者が病院を受診しないのも事実である.
今回は「頭痛」を訴える患者の問診法と観察点について解説し,日常診療で頻度の高い機能性頭痛の鑑別についてポイントを概説したい.緊急の対応が必要な場合が多い症候性頭痛の鑑別法については,次回概説させていただきたい.
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