今月の主題 Multiple problemsの治療戦略
内科診療におけるmultiple problems
【薬物投与のジレンマ】
GERD治療中の患者への降圧薬投与時の配慮
福島 豊実
1
1東京衛生病院内科
pp.1614-1617
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103510
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ポイント
●近年,逆流性食道炎(GERD)は,本邦でも広く認識されるようになり,GERDの診断のもとに治療を継続されている患者が増えている.その多くは降圧薬も同時に服用していることがある.
●特にカルシウムチャネル拮抗薬(CCB)は,本邦において最も頻繁に用いられている降圧薬であり,下部食道括約筋圧(LES)を減少することが知られており,GERD症状を悪化させる可能性がある.硝酸塩(nitrate)とα1遮断薬でも同様の傾向が報告されている.
●GERDの治療において,症状コントロールをより良好なものとするためには,患者が服用している降圧薬の内容と種類を確認し,変更の必要度を検討すべきであり,GERD患者に降圧薬を開始する場合には,GERD症状を悪化させない選択肢を検討することが望ましい.
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