特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅴ.表在
甲状腺
鈴木 眞一
1
1福島県立医科大学外科学第2講座内分泌(甲状腺・副腎)外科
pp.412-422
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103103
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解剖と検査法
甲状腺の解剖は図1に示すように,頸部横断像で,頸椎以外は明瞭に描出される.甲状腺は均質で周囲の筋肉より高エコーレベルで描出され,気管をはさみ両側に位置し,その外側には総頸動脈,内頸静脈が近接している.背側には食道があり,超音波検査法(ultrasonography:US)でも容易に描出される.
検査法としては,通常臥位で低い肩枕を入れて頸部をやや伸展位にして検査する.座位で施行している施設もある.後者は,患者には不安なく,外来超音波室で多数例をこなすには有用な方法である.しかし,甲状腺は座位の場合,縦隔内に入り込む部分が多くなり,縦隔内甲状腺腫や,上縦隔所見を検索したり,細胞診まで行うにはやや不十分である.甲状腺手術自体が,肩枕を挿入し,頸部伸展位で行うことから,術前のmappingを行うにしても,前者が望ましい.
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