特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
LE細胞
窪田 哲朗
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.431
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101856
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
LE細胞は1948年にHargravesら1)によって初めて報告された.当時は臨床症状または剖検所見に頼るしかなかった全身性エリテマトーデス(SLE)の診断に関して,特異的な血液検査所見がみつかったのであるから,臨床的にも病因論的にも画期的な発見であった2).ちなみに抗核抗体(anti-nuclear antibody:ANA),抗DNA抗体などの報告は1957年以降のことである.
後に,LE細胞は採血後の数時間の間に生じるin vitroの現象であり,死細胞の核物質に自己抗体や補体が結合し,これを好中球が貪食して,みずからの核が辺縁に押しのけられた独特の形態(図1)を示すようになったものであることが判明した3).LE細胞の形成には,ヒストンH1を含むヌクレオソームと反応する抗体が重要である4).
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