特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
LE細胞
窪田 哲朗
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.452-453
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104816
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
LE細胞は1948年に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の骨髄穿刺液塗抹標本中からHargravesら1)によって偶然発見された.やがて,抗核抗体,抗DNA抗体などの存在も知られるようになり,1950年代にはSLEは自己免疫疾患と認識されるようになった2).
LE細胞を観察する検体は末梢血液でもよい.いずれにしても,検体採取後数時間の間に生じるin vitroの現象であり,死細胞の核物質に自己抗体や補体が結合し,これを好中球が貪食して,みずからの核が辺縁に押しのけられた独特の形態(図1)を示すようになったものである3).LE細胞の形成には,ヒストンH1を含むヌクレオソームと反応する抗体が重要であるといわれている4).
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