測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
LE細胞
橋本 博史
1
1順大・膠原病内科
pp.417-420
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201369
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1948年,Hargraves1)は全身性エリテマトーデス(SLE)の患者の骨髄標本の中にLE細胞を見いだし,この発見によりそれまでのSLEの診断や疾患概念を変貌させる契機となった.すなわちSLEの診断は,それまでSLEに特異的に見られるとされていた病理組織学的所見(腎糸球体のワイアループ像,脾のオニオンスキン像,ヘマトキシリン体,リップマンザックス型心内膜炎など)によってなされていたが,LE細胞の発見により免疫学的手技が導入され,SLEが自己免疫疾患であるという概念への発端ともなった.近年,免疫学の著しい進歩に伴い,SLEの抗核抗体の検索がLE細胞試験にとって代わるかのごとき印象もあるが,LE細胞試験はSLEの診断,治療の指標として,現在もなお重要な位置を占めている.ここではLE細胞現象の出現機序と臨床的意義について述べたい.
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