技術講座 血液
LE細胞試験
相賀 静子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.1054-1058
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202643
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LE細胞の検査は古くから行われている検査であり,自動化されている多くの血液検査室では異質の検査法かも知れない.しかし,LE細胞を確認できること,現在では螢光抗体間接法が一般的に行われるようになって,内容的にも一層充実した検査である.
さて皮膚病変のみの疾患と考えられていたLE(Lupus erythematosus)も心内膜炎の患者を剖検したところ,心臓の障害されているところに,ヘマトキシリン体を発見してから,全身性の疾患としても考えられるようになった.そして皮膚のみの場合を円板状エリトマトーデス(discoid lupuserythematosus;DLE)と呼び,全身性のものを全身性エリトマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)と呼び分けるようになった.その後,疾患名ではないが,広い意味での膠原病という概念や,LE細胞の発見があって,LE細胞は抗核蛋白抗体から形成されていることがわかったが,疾病の原因が明確にされたものではない.
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