技術講座 血液
LE細胞試験
新谷 松知子
1
,
渡辺 清明
1
1慶大病院中検
pp.749-751
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201468
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LE細胞は1948年Hargravesら1)により,骨髄標本中の特異な細胞として初めて報告されたもので,大きな均質な赤紫色の硝子様物質封入体を有する白血球を言う.LE細胞は人工的に作られる細胞であり,その作成機序は以下のとおりとされている.破壊された白血球より放出された核タンパクが,SLE患者のIgG抗体(LE因子)と反応して複合体(ヘマトキシリン体)を作る.このヘマトキシリン体を他の貪食能を有する白血球が貪食する(LE細胞).ヘマトキシリン体でなく,封入体にクロマチン構造を有するものをtart cellと呼び,これは定型的なLE細胞と厳密に区別する必要がある.
LE細胞試験はこのLE細胞をin vitroで観察しようとする検査であり,全身性紅斑性狼瘡(SLE)の診断に重要な検査の一つである.数種の方法があるが,ここでは普及度の高いZimmer-Hargravesの凝血法2)と,現在我々の検査室で使用しているZinkharn-Conley3)の振盪法の変法を取り上げることとする.
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