特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
カルシトニン
石川 敏夫
1
1帝京大学医学部附属市原病院第3内科
pp.330-331
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101818
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
カルシトニンは32個のアミノ酸から構成されるホルモンで,甲状腺のC細胞から分泌される.したがって,C細胞に由来する悪性腫瘍,すなわち甲状腺髄様癌を有する患者の血清ではカルシトニン濃度が高値となる.また,種々の腫瘍(肺小細胞癌・乳癌・カルチノイド症候群・膵癌・褐色細胞腫・副腎皮質癌・子宮頸癌など)が異所性にカルシトニンを産生している場合も,血清カルシトニンが異常高値になりうる.
血清カルシトニンが低値(甲状腺全摘術後など)の場合には,臨床的意義はないと考えてよい.
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