増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
カルシトニン
藤村 英昭
1
,
橋本 琢磨
2
1金沢大学医学部附属病院検査部
2金沢大学医学部臨床検査医学講座
pp.468-469
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906427
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
カルシトニンは,主として甲状腺の濾胞細胞(C細胞)で産生されるペプチドホルモンで,副甲状腺ホルモンや1,25ビタミンDと同じカルシウム(Ca)調節ホルモンの一つである.その主たる作用は,①腸管からのCa吸収抑制,②破骨細胞の骨吸収抑制,③腎からのCa排泄促進であり,総合的に血中Ca濃度の低下に働く.
カルシトニンは,血中のCaあるいはガストリンやグルカゴンなどの消化管ホルモンによって分泌調節されているため,これら調節因子の代謝や分泌に異常が生じると高値または低値を示すことが知られている.また,カルシトニンは腎で代謝されるため,腎機能が低下すると血中濃度が上昇する.
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