特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
酵素および関連物質
アルドラーゼ(ALD)
石井 潤一
1
1藤田保健衛生大学大学院保健学研究科クリティカルケア学
pp.204-205
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101776
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アルドラーゼ(aldolase:ALD)は分子量150kDaの四量体蛋白である.嫌気性解糖系酵素の1つであり,六炭糖であるフルクトース-1,6-二リン酸(fructose-1,6-diphosphate:FDP)を2分子の三炭糖,ジヒドロキシアセトンリン酸(dihydoxyacetone phosphate:DHAP)とD-グリセルアルデヒド-3-リン酸に,フルクトース-1-リン酸(fructose-1-phosphate:FIP)をDHAPとD-グリセルアルデヒドに分解する1,2).
ALDにはA(筋)型,B(肝)型およびC(脳)型の3種類のアイソザイムが存在する.これらの遺伝子は別々の染色体上にあり,A型は第16(q22-24),B型は第9(q21.3-22.3),C型は第17(cen-q21)染色体上に存在する1).また,発生分化の過程で各遺伝子の発現量が異なるため,アイソザイムの発現パターンは変化する1).
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