特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
酵素および関連物質
コリンエステラーゼ(ChE)
笠原 靖
1
,
五味 邦英
1
1昭和大学医学部臨床病理学
pp.202-203
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101775
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ヒト体内には神経組織,筋,赤血球に分布し,神経伝達物質のアセチルコリンを特異的に水解するアセチルコリンエステラーゼ(acetylcholine esterase, EC3.1.1.7,以下AChE)と肝,膵,血清,皮膚,心臓などに分布し,アセチルコリンを含む他のコリンエステルも水解する偽コリンエステラーゼ1)または血清コリンエステラーゼ(acylcholine esterase, EC:3.1.1.8,以下ChE)という2つのコリンエステラーゼが存在する.
ChEは分子量約348,000で,四量体からなる糖蛋白であり,至適pHが8.3,それぞれカルバミン誘導体により拮抗阻害,除虫剤のパラチオンやサリンなどの有機リン化合物で非拮抗阻害を受ける.その結果,有機リン剤の中毒ではきわめて低値を示す.
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