増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
140.アルドラーゼ
浅香 正博
1
1北海道大学医学部・第3内科
pp.1968-1969
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222829
- 有料閲覧
- 文献概要
アルドラーゼは嫌気性解糖系酵素の一員であり,果糖-1,6-2リン酸(FDP)と,果糖-1-リン酸(FIP)の分解を可逆的に触媒している.血清アルドラーゼ酵素活性測定は,一般臨床検査で広く行われている検査の1つであるが,筋肉疾患,肝疾患,癌疾患などで上昇し,疾患特異性には欠けていた.アルドラーゼにはA,B,C3種のアイソザイムが存在し,それぞれ臓器特異性が高いことが知られている.したがって,血清アルドラーゼ活性の上昇を認めたときにアイソザイムレベルの検討を行うと,診断的価値が増加することは明らかである.
ヒト血清アルドラーゼアイソザイムの分析は電気泳動法を用いて行うことが困難であるため,筆者らはアルドラーゼA,B,Cそれぞれに特異的なRIA法を確立しアイソザイム分析を行っている1)が,未だキット化されていないため,一般臨床検査として普及するに至っていない.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.