増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など
酵素,肝機能検査
ALD(アルドラーゼ)
石井 潤一
1
1藤田保健衛生大学医学部臨床検査科
pp.222-224
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223261
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
検査の概要
アルドラーゼ(aldolase:ALD)は解糖系酵素の一員であり,フルクトース-1,6-2-リン酸(FDP)をジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)とD-グリセルアルデヒド-3-リン酸に分解する反応とともに,フルクトース-1-リン酸(FIP)をDHAPとD-グリセルアルデヒドに分解する反応を触媒する1).骨格筋,心筋,肝や脳に多量に存在する細胞質内酵素であるため,これらの組織に障害が生じると血中に流出し,血清ALD活性は上昇する.
ALDは4種類のサブユニットからなる4量体で,分子量は150kDaである.A(筋)型,B(肝)型およびC(脳)型の3種のアイソザイムがある.心筋梗塞,骨格筋障害,悪性腫瘍ではA型が,肝疾患ではB型が,脳血管障害ではA型とC型が上昇してくるため,アイソザイム分析は診断に有用である.しかしながら,血清アイソザイム分析は現在行われていない2).
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.