特集 Common Disease インストラクションマニュアル―患者に何をどう説明するか
血液・造血器疾患
悪性貧血
鈴木 憲史
1
1日本赤十字社医療センター血液内科
pp.344-345
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101548
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悪性貧血とは,主に抗内因子抗体や抗壁細胞抗体などの出現による自己免疫現象を原因とする慢性萎縮性胃炎に伴いビタミンB12の吸収不全が起こり,ビタミンB12欠乏症としての巨赤芽球性貧血,消化器症状,および神経症状を示す疾患である.大球性貧血,過分葉好中球を伴う汎血球減少症,LDH高値,間接ビリルビン高値,ハプトグロビン低値で本症を疑う.ビタミンB12製剤筋注の補充療法を週2~3回実施する.投与後1週間で網状赤血球の増加,3週でヘモグロビンの増加と倦怠感などの消失が認められる.貧血が改善したら2~3カ月に1回の補充療法を生涯にわたって行う.
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