医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために 3
全体カンファレンスの試み
本村 和久
1
1沖縄県立中部病院地域救命救急センター
pp.524-526
発行日 2006年3月10日
Published Date 2006/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100568
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日常業務のなかで起こる医療事故,本来なら問題の大きさによらず,すべてのケースを詳細に検討し,病院全体で共有すべきであるが,超過勤務,過労が大きな問題となっている医療従事者の現状では,効率よく問題の解決に当たる必要がある.また,時間を割いて事故を解析しても結果が共有され,問題解決に向かわなければ意味がない.情報共有,問題解決に向けての一つの試みが,医師,看護師を中心に病院すべての職員を対象に行う全体カンファレンスである.頻回に行えるものではないが,医療事故を防ぐ文化を創るには有効な方法と考える.当院では,年に3回程度の医療事故に関する全体カンファレンス(同様の試みは文献1,2を参考のこと)を行っている.一例をご紹介したい.
全体カンファレンスの実際
沖縄県立中部病院での実施例から
医療安全管理委員会の主催で全体カンファレンスを企画した.今回のカンファレンスは後期研修医中心での運営である.研修医の提案で,実際に起こった事例を寸劇にアレンジして,その感想をグループ討議する企画となった.時間は朝7時30分~8時30分の1時間,場所は100名収容できる大会議室,テーブルを12台用意,各席に指導医,研修医,医学生,看護師が均等に振り分けるようにした.
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