特集 精神障害者が暮らしやすい地域づくり
地域で障害者を支える
門屋 充郎
1
1帯広ケアセンター
pp.652-655
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902988
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私は公衆衛生の専門家ではない.長く無資格の専門職として精神医学ソーシャルワーカーを名乗りながら,不幸にして精神の病となり精神障害を抱えた多くの人々と出会い,かかわり,彼らから教えられ,励まされ,彼らの求めに大いなる刺激を受け,動機付けられ,彼らのニードを満たすべく活動を続けてきた一人である.私の30年来の精神保健福祉活動は,ただただ,彼らの暮らしを支える条件整備の歴史であった.彼らが市民として生きていくために必要な地域資源作りを中心に展開してきたが,ある時点から,私自身の市民権の必要性を強く感じはじめた.それは自分自身が精神保健福祉分野で役割を果たし,精神障害者により有効に活用されるためには,人的資源としての質を社会的に担保されることが必要と考えるようになった.このことはこの社会にあって精神保健福祉領域に働くソーシャルワーカーとしての国家資格化は欠かせないと考え,資格化に精力的に取り組んでもきた.私は精神保健福祉士が精神障害者の生活を支えるための条件整備の一つとして重要であると考えている.
振り返ってみると私は大変恵まれた状況にあったと考えている.
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