特集 提言—あすの公衆衛生
獣医師としての役割
小宮 倶子
1
Tomoko KOMIYA
1
1埼玉県食肉衛生検査センター
pp.16-17
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902930
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◆はじめに
国民経済が順調な発展を続け,生活の質が次第に向上し食生活が多様化するなかで,獣医師をめぐる社会的役割も多様化している.国民の間には“ゆとり,ふれあい”といった精神的な豊かさを求める傾向が強まり,今まで置き去りにしてきた「生活環境」に目を向けつつあり,この分野での獣医師のニーズは高まり,活躍が期待されるところである.さらに,女性獣医師の増加,獣医療の技術の拡大発達に伴い,獣医師の業務は質的・量的にも拡大し,変換期を迎えている.複雑な社会的要請に応え,いかに的確に獣医としてのマンパワーを提供し活躍していくかが,われわれ獣医師の21世紀に向けての大きな課題となっている.
食鳥検査体制の発足に伴い獣医師不足が懸念されるなか,獣医師確保の手段も考え,適切なサービスの確保を図ることが課題とされるなかで,埼玉県の公衆衛生行政に携わってきた一人として,抱負を述べてみたい.
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