特集 老人保健法20周年—新たな展開を目指して
老人保健事業における参加型集団健康教育の視点,評価,課題—学習者の内的プロセスを大切にして
宮野 由紀
1
1狭山市保健センター健康教育・相談事業グループ
pp.562-565
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902782
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狭山市での集団健康教育の変遷
狭山市における健康問題解決(糖尿病予防など)のための参加型集団健康教育は,昭和58年度の「楽しくやせる教室」から始まった.目的は「肥満を解消しようとする過程を通して,食事の内容,食べ方等食生活,および運動,休養などをも含めた生活全般を見直し,教室終了後も,個々が自らの健康を管理していけること」である.肥満の解消が目的ではなく,肥満の解消という題材(課題)に取り組むプロセスの中で生活を見直し,どうしたらよいのかに気づき,肥満も解消しつつ,学習者自身が健康を管理していく力を高めていけることができたらと考えたのである.
この背景には,食事や生活は1人ひとりの価値観や生き方が反映しているという考えと,そうした食事,生活を「指導」することへの抵抗感があった.教室は,血液検査やいくつかの調査からアセスメントを行い,個別面接し,学習者がそこでの気づきをもとに行動の目標を立てて取り組むこととし,毎回グループごとに「経過報告と話し合い」の時間をもち,反省し励まし合いながら進められるようプログラム構成した.個別面接では,アセスメント結果とその理解に必要な知識の伝達を行った.
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