特集 青少年暴力・2
よく遊びお手伝いもよくしている子はキレにくい
佐野 勝徳
1
,
長谷川 千寿
1
,
佐野 敦子
2
1徳島大学総合科学部生理心理学教室
2徳島大学医学部
pp.863-866
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902627
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「日本の子どもが危ない」,そんな状況が続いている.1997年5月の神戸児童連続殺傷事件,翌年1月の女性教師刺殺事件以来,「キレる」少年による凶悪事件が後を絶たない.小学校低学年から始まった学級崩壊や中学生の校内暴力も深刻である.こうした事件や問題が発生するたびに,「あんなよい子が」とか「どこにでもいる普通の子が…,信じられない」と報道される.「事件のなかの子どもたちは,学校のなかの暴力行為や学級崩壊現象のなかの子どもたちと本質においてあまり変わらない.問題のない子どもたちも,学校のなかでの暴力行為や学級崩壊の中心になっている子どもたちと大きな違いがない」1)といわれているほどである.
なぜ「普通の子」や「よい子」が,簡単にキレて,衝動的な事件を起こすのだろうか.学級崩壊などの発生原因はどこにあるのだろうか.子どもは昔と変わってしまったのだろうか.筆者らは,そんな疑問をいだきながら,数年前から調査研究を実施してきた.以下は,小学生を対象とした調査結果の概要である.なお,中学生についても類似の調査を実施しているので,その結果の一部を含めることにする2,3).
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