連載 ケアの方舟・5
手伝いの極意
石原 雅彦
pp.780-782
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100563
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心をケアすることのしんどさ
今年の夏はアテネ・オリンピックが開催されており,テレビの実況中継が時差の関係で深夜にまで及ぶことが多い。スポーツ観戦に熱心なわが家の年寄りたちが「夜更かしして居間で寝てしまいそう」などと言うので,「いいよ,寝床まで運んであげるから」と答えると,「歳をとって体も軽くなったからねえ」などとうれしそうに笑う。
確かに体が軽くなった分,肉体的なケアは楽になった部分もあるけれど,精神的なケアの必要性が増してくると,ケアする側にとって年寄りは心理的にどんどん重い存在になっているのであり「(いやいや,十分すぎるくらいに重いよ…)」などと心の中で苦笑する。
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