連載 公衆衛生へのメッセージ—福祉の現場から
二つの世界
本山 和徳
1
1長崎市障害福祉センター小児科
pp.744-745
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902170
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「小学生,知的障害児と交流」…ある日の朝刊の記事の見出しである.私がかかわっているさくらんぼ園はまさに知的障害児通園施設にほかならないのだが….
その前日,さくらんぼ園児と小学生との交流がなされていた.20人ほどの元気な小学生が活発に園児と遊んだ.遊んだとはいえ,発達を十分に遂げている小学生とは対等には遊べない園児は,抱っこされたり手をつながれたりして受け身になり目をまん丸くしていた.初めて交流した小学生がほとんどであったろう.彼らの心にはどのように映ったのであろうか.朝刊は健常児と障害のある児との交流を意義ある教育の新しい試みとして報道したのである.
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