連載 西生田の杜から
仕事,その前に…
足立 紀子
1
1日本女子大学社会福祉学科
pp.742-743
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902169
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この原稿について,いつものようにあれこれ考えていると電話が鳴った.かなり前に,日程だけはくれぐれも押さえておいてほしいという研修講師の依頼があった団体である.あと一月しかないのに正式依頼がないので,こちらから問い合わせた結果である.「実はちょっと不都合が起きたので日程を変更してほしい」と言う.「チョット,チョット,あまりにも勝手が過ぎないか? 私だってその日を避けるためにずいぶん無理をした予定だってあったのに…」と思ったけれど,仕事には突然不都合が起きることは重々承知の身だから,極力声を抑えて,「そうですか,また次の機会にしましょう」と応えた.「●○月はいかがでしょう?」,「いや,自分の予定もあるのでこの日以外はお引き受けできない」,「それでも,△▲ではだめですか?」,「いや,ともかく自分の計画があるので…」とやりとりした挙げ句,ようやく今回の話はなかったことにしてくれた.こんなことなら中国行き計画すればよかった…と憮然としていると,20〜30分した頃だろうか,また電話が鳴った.「やはり,最初の予定通りお願いしたい」
危うくキレかかった.そんなに簡単に変更できる理由なら人を煩わせるな…理由を聞くに及んで本当にキレてしまった.その1,研修を担当している保健婦のだれかが事業の関係で当日都合が悪くなった.その2,前年度の担当者から引き継いでいなかった.その3,今,話し合って事業のことはだれかに都合をつけることにした,というものである.
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