特集 思春期を支える公衆衛生
思春期を支える専門性—思春期保健相談員の役割
北村 邦夫
1
1社団法人日本家族計画協会
pp.470-475
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902107
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世界保健機関(WHO)リプロダクティブ・ヘルス・プログラム(1997年)の中では,リプロダクティブ・ヘルスとは,生まれてから死に至るまでの過程において,従来の健康の概念に加えて性的にwell-beingな状態を目指すものとしている.したがって,これは「生涯を通じた性と生殖に関する健康」と言い換えることもできる.中でも,性交,妊娠,避妊,中絶,出産,性感染症などリプロダクティブ・ヘルスに係る問題の多くは思春期に起こる可能性が高い.というのは,思春期が知りたいと願う情報を入手し,リプロダクティブ・ヘルス・サービスを享受する手段を持ち合わせていないからである.そのためにも,思春期からの性教育や情報提供が必要であることは言うまでもない.
本稿では,わが国の保健所,市町村,学校など多分野において,直接,間接に思春期の子どもたちを支援している思春期保健相談員の現状とその役割などについて論じたい.
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