活動報告
保健所における性の相談事業—思春期の性を中心に
内野 英幸
1
,
小林 稜子
1
,
出澤 総子
1
,
鎌田 江美
1
,
土屋 信子
1
,
青木 米子
2
1長野県小諸保健所
2長野県精神保健福祉センター
pp.55-61
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902845
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はじめに
近年,若者の性行動が活発となり低年齢化する中で,性に関する正しい知識を欠くことによる10代の望まぬ妊娠・出産や性感染症・エイズが問題となっている。また,性に関する情報の氾濫は,いたずらに性の悩みやトラブルを助長しているきらいがある。
当地域では,最近,エイズに対する関心の高まりと相まって,PTA・学校などから保健所に対しで性とエイズについての講演依頼が多くなっていた(表1)。しかし,中学・高校生に対する性・エイズ教育が年1回の形式的かつ一方的な講義に終わってしまい,性に関する悩みや疑問を抱える子供たちに対して,きめ細かな教育・相談までつながっていない面が感じられていた。そこで,思春期の子供たちと関わりをもつ家庭,学校関係者,医療機関,薬局などと連携しながら,思春期の性に関する相談事業(ティーンクリニック)を保健所に開設することにした。今までの取り組みの経過をまとめ,地域における思春期の性に関するサポートシステムを検討したので,報告する。
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