連載 精神保健福祉計画の企画と実施—意欲を事業に反映するために
地方自治体における精神保健福祉事業の推進体制の実態
竹島 正
1
,
杉澤 あつ子
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部
pp.736-740
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901971
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平成5年の障害者基本法の成立,平成6年の地域保健法の成立,平成7年の精神保健法の改正,というように,住民の精神保健福祉にかかわる法制度が,近年,大きく変貌してきており,地方自治体に期待される役割はいっそう高まっている.本稿では,都道府県および政令指定都市(以下,指定都市)を対象にして実施した調査結果をもとに,全国における精神保健福祉行政の推進の現状と課題を明らかにしたい.
まず,調査の対象と方法について述べる.都道府県および指定都市の合計59自治体の精神保健福祉担当課長あてに調査票を送付し,記入後郵送により回収した.調査票は,精神保健福祉行政にかかわる本庁の組織体制と,保健所における精神保健福祉業務の実施体制についての設問などを柱にして構成した.本調査研究の枠組みについては竹島1)が既報で詳述した.調査期間は平成10年2月から3月末までであった.最終的に53の自治体から回答を得た.すなわち,調査票の回収状況は90%(53/59)であった.自治体の区分別にみた回答率は,都道府県で94%(4447),指定都市では75%(9/12)であった.以下にこの調査でわかったことを記述する.
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