連載 精神保健福祉—意欲を事業に反映するために
障害者計画を立てる視点
野中 猛
1
1埼土県立精神保健総合センター
pp.290-295
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901681
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精神保健福祉領域に焦点をあてて障害者計画を立てる視点を整理する.われわれが当面の課題としている障害者プラン策定の作業は,新ゴールドプラン,エンゼルプランと並んで,地域社会がより自立的に体制を作ることができる機会である.誇張すれば,近代日本の歴史の中で,地方分権が形をなす始めてのことではなかろうか.地域の独自性が認められることは,一方で地域間格差が生じることであり,実際に高齢者プランのでき具合いによって,すでに住民の転居が始まっている.これらの作業は今後の市民社会を形成するうえで重要な契機となることを認識して論を進めたい.
具体的な手順に従って,意義論,戦略論,方法論,内容論,モデル論の順に注目すべき視点を整理する.実際的には,総理府障害者施策推進本部による平成7年5月の「市町村障害者計画策定指針」と12月の「障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略〜」にそって実務を進め,それを補完するものとして参考にしていただければ幸いである.
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