視点
らい予防法廃止と公衆衛生行政の反省
大谷 藤郎
1,2,3
1財団法人藤楓協会
2国際医療福祉大学
3厚生省公衆衛生審議会
pp.448-449
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901508
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89年間続いてきたらい予防法は今年3月27日国会で廃止が議決され,4月1日から施行された.
これに伴い強制隔離と終生収容を内容としてきたわが国独自の絶対隔離のハンセン病患者管理体系はあっという間に崩れ去り,らいの病名もハンセン病と改められた.ハンセン病の年間新発生はすでに10名前後であり,後遺症の人々が6,000人程度であることから,恐怖と差別の代名詞であった「らい」は法律も実態も名実ともにわが国から消滅した.
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