連載 水俣病から学ぶ・7
公衆衛生行政担当者の反省と教訓
緒方 剛
1
1茨城県つくば保健所
pp.547-550
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100913
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本シリーズでこれまで他の筆者により紹介されてきたように,水俣病は歴史上の悲惨な事件であり,公衆衛生行政にとっては,多くの関係者が解決に向けて懸命の努力をしたにもかかわらず,今日振り返ってみると反省すべき点が多く,「本当に繰り返さない」ために,われわれが学ぶべき教訓が多くあると思います.
他方,水俣病はあまりに大きな事件であるため,公衆衛生行政担当者や専門家にとって,日常の実務上,どこが参考になるのかわかりにくいとも思われますが,筆者のように行政官として水俣病事件に接した経験をもつ一方,公衆衛生現場の経験の浅い者にとっては,日々生かされる点があると感じています.
そこで,いくつかのテーマについて,水俣病の経験と筆者が見聞きした最近の実例とを対比しながら,公衆衛生実務者であるわれわれにとっての反省と教訓を考えてみました.
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