資料
アンケートに見る高校生1,090人のエイズ認識
田口 正男
1
1神奈川県立弥栄東高等学校
pp.661-665
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901117
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現在,新たに判明したHIV感染者の中に17歳,18歳という未成年者が含まれるなど,若年層への感染の広がりが危惧されている.周知のとおり,HIVは感染力が弱く,つきつめるところ人間のリスクの高い行動がこの病気を蔓延させていると言ってよい1).このことは,正しい知識の普及と節度ある行動がこの病気の流行を止める一番の手だてであることを意味する.つまり,これが「エイズに対する最大のワクチンは教育である」と言われるゆえんである.しかし,わが国においてはその教育的対応の遅れがしばしば指摘されるところである2).
このような状況のなかで,神奈川県立橋本高校では生徒自身の手によって学校祭の活動の1つにエイズ問題が取り上げられた.これは1,000人を越える高校生への意識調査であったため,青少年のエイズに対する認識を知るうえで貴重な資料になると考えられた.指導にかかわった一人として,ここにその結果を公表し,若年層を預る教育現場での対応の資料に供したいと思う.
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