特集 小児成人病の予防
小児成人病の地域的取り組み—新松戸中央病院
藤田 幸子
1,2
Yukiko FUJITA
1,2
1東京女子医科大学附属第二病院小児科
2前新松戸中央病院小児科
pp.759-761
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900681
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〔はじめに〕
現在,子供を取り巻く環境は急速に変化している.食習慣の西欧化による脂肪摂取量の増加,塾通いによる運動不足,夜更かしなどの不健康な生活習慣が,肥満傾向の子どもを増加させ,小児の血清脂質値を高め,高血圧や成人型糖尿病等,いわゆる小児成人病の発症を肋長することになる.現実には,平成2年度の小児成人病予防検診によると小学生4〜5年生,中学生1年生,高校1年生の高コレステロール血症の出現率は8.3%,高血圧は,1.1%であり1),平成3年度の6歳から14歳の小児における肥満児の出現率は,3.9〜9.3%を示している2).
筆者が勤務している病院は,首都圏のベッドタウンに位置している,日常の小児科診療において肥満児やたまたま他の疾患で検査し,血清脂質や血糖の異常が見つかることがある.このような小児を対象に,小児成人病予防を目的に外来で食事療法,運動療法などの生活指導を行っている.ここでは,実地小児科医の立場から小児成人病予防の取り組みの実際と問題点について述べる.
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