特集 行動科学—その健康問題に果たす役割
「行動医学」研究の国際的動向
荒記 俊一
1
,
谷川 武
1
Shunichi ARAKI
1
,
Takeshi TANIGAWA
1
1東京大学医学部公衆衛生学教室
pp.705-707
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900440
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■はじめに
「行動医学」は,国際行動医学会憲章(1990)によると,健康と疾病に関する心理・社会学的,行動科学的および医学生物学的知見と技術を集積統合し,これを病因の解明と疾病の予防,診断,治療およびリハビリテーションに適用することを目的とする学際的学術と定義される(表1)1).行動医学の研究領域は,脳―臓器間の機能相関の解明から,臨床診断と治療,さらに公衆衛生活動としての疾病予防と健康増進にまで及んでいる.
本稿では,「国際行動医学会」(International Society of Behavioral Medicine)の成立過程と活動を中心に,「行動医学」をめぐる最近の動向を紹介する.
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