特集 町づくり健康づくり私たちのノウハウ—保健婦からのレポート
在宅ケアシステムづくりの試み—神奈川県相模原保健所の実践から
岩崎 ミツエ
1
Mitsue IWASAKI
1
1神奈川県相模原保健所
pp.249-252
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900319
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◆はじめに
神奈川県在宅療養者訪問看護事業(以下在看事業という)は,ニーズ調査や実証検討などを経て昭和第61年度から事業化された.この在看事業は,年齢や病名等の制約をなくし,訪問看護を必要とするすべての人を対象に,県と市町村が協同して援助をすすめていく主旨のものである.
相模原市においては,すでに昭和55年度から寝たきり老人福祉対策として,訪問看護を市独自で実施していたが,平成元年度には神奈川県の在看事業へと移行し,これを機に総合的なケア体制へと大きく発展した.ケース検討やシステム検討の会議が置かれ,医療や福祉関係者,ボランティア等との連携による総合的な支援が行われ,現在では常時100名前後の在宅療養者に訪問看護が提供されている.保健所でも難病や精神障害者(痴呆を含む)等を分担し,また専任保健婦も訪問看護婦の教育や会議の企画にも参加する等,市役所と保健所が共に取り組んでいる.
筆者も,在看事業の初年度である昭和61年に,20日間にわたる神奈川県在宅ケア専任保健婦研修を受講した.以来5年間,当保健所で在宅ケア専任保健婦として相模原市が在看事業へと発展する過程にかかわることができた.
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