調査報告
大病院外来患者の受療行動に関する研究
島 正之
1
,
仁田 善雄
1
,
岩崎 明子
1
,
安達 元明
1
Masayuki SHIMA
1
,
Yoshio NITTA
1
,
Akiko IWASAKI
1
,
Motoaki ADACHI
1
1千葉大学医学部公衆衛生学教室
pp.648-652
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900183
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●はじめに
近年,医療技術の高度化,専門化が進行する中で,患者にも大病院指向が強まっているにとが指摘されている1).事実,病床規模の大きい病院ほど外来患者数は増加しており,特に400床以上の病院における伸び率は著しく高い2).
一方,大学病院などの高度専門病院での医療を要する患者はあまり多くないと考えられており3),大病院の診療のあり方についての論議が盛んとなっている.その一例として,これらの病院では「紹介外来制」を導入するべきであるとの意見もある4).これはかかりつけの医師に受診してからでないと大病院での診療を受けられない制度であり,欧米ではすでに一部で実施されている5,6).しかし,わが国ではこうした制度に対する医療機関や国民の理解が得られているとはいいがたい.
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