新しい医療と厚生行政
患者の受療行動について(前)
厚生行政研究会
pp.64-65
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208751
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日本の医療はこれからどうなってゆくのであろうか.これは私たちみんなの切実な問題であり,このほど成立した新しい医療法の理念にのっとって,すべての医療関係者は,21世紀に向けて安定した医療供給体制を築くことに真剣に取り組んでゆかなければならない.新医療法には,その基本概念のひとつとして「地域医療計画」が挙げられているが,それが机上の空論とならぬよう,医療需要と供給体制との間のダイナミズムを細かく分析することが必要となろう.果たして患者は医療計画が想定するような受療行動をとるものであろうか.また医療需要の質的量的な伸びに対処できる体制を整えるため,中間施設や家庭医に関する論議も盛んに行われているが,どういう条件の時に患者は中間施設や家庭医へ足を運ぶものであろうか.医療需要の大きな流れの中で,それらについて論じてみたい.
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