調査報告
在宅ケアにおける都市部の医師および保健婦の連携状況
島 正之
1
,
仁田 善雄
1
,
田中 良明
1
,
安達 元明
1
Masayuki SHIMA
1
,
Yoshio NITTA
1
,
Yoshiaki TANAKA
1
,
Motoaki ADACHI
1
1千葉大学医学部公衆衛生学教室
pp.885-889
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900942
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●はじめに
人口の高齢化に伴って要介護老人の数も増加傾向にあり,特に病院や特別養護老人ホームに入院または入所している老人数が著しく増加している1,2).一方,在宅で介護を受けている老人数は横ばいで,高齢者人口に占める割合はむしろ低下しつつあることが報告されている2).
こうした状況に対し,老人の多くは住み慣れた地域や家庭での生活を希望しており,在宅ケアを支援するシステムの整備が求められている3,4).そのためには,在宅要介護老人とその家族の多様なニーズに対応して,保健・医療・福祉が一体となった総合的なサービスを提供することが必要とされている1).
しかし,往診や訪問看護は医療機関,訪問指導や機能訓練は市町村というように,現在はそれぞれのサービスの供給主体が異なっているため,連続性や総合性に欠けるなど,利用者にとって必ずしも有効なサービスとはなっていない1).特に大都市部においては,医師と保健婦をはじあとする関係職種間の連携が必ずしも十分に行われているとは思われない.
そこで,都市部における在宅要介護老人に対する往診や訪問指導の実態を明らかにするため,医師および保健婦を対象とした調査を行ったので,その結果を報告する.
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