連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第十三編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.735-739
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210339
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北部のクリニックへの旅
北西部地域への訪問の旅も容易ではない。まず国の中央を流れるジャムナ川を越えなければならない。現在は、大河横断の橋ができたが、当時はフェリーで渡るしかなかった。ダッカ市内から西へ、船着き場のアリチャまで車で1時間、そこから北部に向けたフェリーで川を登り、2時間弱で対岸のノゴルバリに到着する。船旅はのんびりしていて、遠く見える対岸の村々や木々を眺めたり、イルカの群れなどがフェリーと一緒に泳いでいくのを面白がったりした。到着しても気をもむことが多く、トラックや車がわれ先に下船したがって、混乱と怒号が行き交うのが普通だ。自分の車がぶつけられたりしないか気が気ではない。ようやく地上に降りてから、国道へ出て、一気に北上すればボグラの街に着く。ボグラミッション病院に表敬訪問をして、西のへき地シャリアカンディのBAMクリニックへはたびたび訪問した。
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