連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・14
結核の時代と療養する身体・2—パンデミック下で生きる療養者の知恵—新鮮な空気を求めて
西川 純司
1
1神戸松蔭女子学院大学文学部日本語日本文化学科
pp.732-734
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210338
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
前回は結核対策のスローガンなどを例にして、専門家による啓蒙活動をみてきた。しかし、実際に結核病者による療養生活が営まれたのはより具体的で個別の状況においてである。住まいや療養所において具体的なモノに囲まれる中、家族や他の患者と空気を共有しつつ療養生活が送られていた。今号は、新鮮な空気を求めて人々が創意工夫していた療養の現場に目を向けてみたい。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.